2005年4月に日本では発達障害者支援法が施行された。発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など、小児期にその症状が現れる障害のことである。この法律の施行の背景には、学童期の6%が発達障害をもつといわれ、学校や家庭など様々な場で、その症状と援助についての理解が必要不可欠である。本稿では、その発達障害のうち、学習障害の症状と必要な援助について論じる。
学習障害は、医学的にはLearning disorders,教育分野ではLearning disabilitiesと表記される。その意味は、医学的には、読字障害、算数障害、書字表出障害、特定不能の学習障害のことを指し、教育分野では、知的発達に遅れはないが聞く、話す、読む、書く、計算する、推論することに対しての障害をさすものである。このように、学習の基本に必要な読み、書き、算数に関して困難を示す障害であるため、学校教育が始まってから学習障害が明らかになることが多い。また、学習障害は中枢神経系の機能に障害があると推定され、他の障害や環境的要因が原因として生じるものではない。
その学...