50年に及ぶ戦後の同和教育史を概括し、同和(人権)教育の意義と学校における同和(人権)教育実践のあり方を具体的に論述すること。
50年に及ぶ戦後の同和教育史を概括し、同和(人権)教育の意義と学校における同和(人権)教育実践のあり方を具体的に論述すること。
日本の人権尊重の理念に基づく教育は、戦後の日本国憲法成立以降本格的に始まった。その中核を成してきたのが同和教育であり、同和教育の確立はあらゆる人権問題の解決に寄与してきた。「同和教育は教育の原点である」と言われるように、これまでの同和教育の理念や実践には、今なお学ぶべき点がたくさんある。
同和問題とは、被差別部落という特定の地域出身というだけで、本人の努力や責任とは関係なく、不当に差別され、社会的な不利益を受けている、基本的人権の侵害に関わるきわめて重要な社会問題である。このような問題を解決するため、一人一人の子供を大切にした教育、被差別部落の子供をはじめ、障害のある子供や在日韓国・朝鮮人の子供、その他の社会的に弱い立場におかれている子供達の人権を保障する取り組みが行われ、近年一定の成果をあげるに至っている。
しかしながら現在の課題として、世間では同和問題は過去の問題であって今日の民主化の進んだ現在では、もはや問題は存在していないと考えられていながらも、...