(2011年度の新しいレポート提出ルールに対応しています)
黒田恭史教授 テキスト『数学科教育法入門』佛教大学通信教育学部
第1設題
数学教育の目標と評価についてテキストをもとに述べ、その後、自分の視点で考察せよ。
出品者からのコメント
抽象的で何に的を絞って文章を展開したらよいのか迷う課題です。テキストの中からどこを切り取るかが決定的なポイントになり、抜粋の箇所(教授の関心の強い箇所)を間違えると評価に強く影響するでしょう。A評価をとったこの答案で、テキストの抜粋箇所さえ確認すれば、皆様独自の考えを展開させてもA評価はとれると確信しています。
数学教育の目標と評価についてテキストをもとに述べ、その後、自分の視点で考察せよ。
1.数学教育の目標
数学教育の目標には、①国が定める基準としての目標、②数学教育学研究の立場からの目標、③海外の教育との関係における目標がある。
日本において、①の目標は学習指導要領に表れている。その特徴を端的に述べると、数学学習によって、生徒が数学の原理獲得等を目指すとともに、数学を現実の事象に適用する力や、有用性を認識し、積極的に取り組んでいく態度を育成することが数学教育の目標であるという。
それに対して、②の目標は①による数学の理解、応用、適用、そして積極的な態度を育成することを踏まえつつ、現実的な課題を創造的に解決する教育、他の知見と総合して子供たちのまっとうな生き方を開拓させることを目標としている。よって、②の目標は①の目標を包含しつつ、より大きな目標と言える。
ところで、国際的な視野に立つと、日本が初等教育の算数で「数と計算」にかなり強い力点を置いているが、欧米では日本であまり重視されていない幾何や確率・統計を小学校段階から重点的に教えており、結果的に欧米の教育は各領域のバランスが非常...