国際法 第1課題
『国連の平和維持活動と国連憲章が想定する「国連軍」とはどのように相違するか論じなさい』
まず、国連憲章が想定する国連軍について、国際連合憲章第7章において、平和に対する脅威に際して、軍事的強制措置をとることができると定められており、これを担うのが憲章上の国連軍である。憲章42条で、安全保障理事会(以下安保理)は国際の平和と安全を維持または回復するために必要な陸海空軍の行動をとることができると規定されている。憲章43条に従ってあらかじめ安保理と特別協定を結んでいる国際連合加盟国がその要請によって兵力を提供することになっており、安保理が当該兵力を指揮する。憲章第46条により安保理は軍事参謀委員会の援助により、兵力使用の計画を作成し、憲章第47条3項により軍事参謀委員会が兵力の指揮に関して助言する。これまで、この特別協定を結んでいる国がないため、国際連合憲章第7章に基づく、安保理が指揮する国連軍が組織されたことは一度もないのが現状である。
国連軍は、集団的安全保障体制の圧倒的な力により、潜在的侵略国に対して武力の行使を事前に思いとどまらせるほどの抑止効果を持つことが必...