児童文学の特質について、アンデルセン、こがね丸について。
伝承童話の意義について、赤い鳥、人魚姫について
児童文学の特質について述べよ。
児童文学は、その根底において文学そのものの本質を踏まえている。
児童文学は、一般の文学となんら本質的に変わるものではなく、文学全体の特質領域として位置づけられている。その上で、児童文学の定義を答えるとするならば、児童文学は、当然「文学」の本質を踏まえながら、子どものための「目的・対象」子どものもつ「共有」、子どもの選んできた、また、選んでいく「選択・継承」文学の広い意味の総称ともいえる。
児童文学と大人の文学に、どのような違いがあるか相違点を挙げて考えてみる。
質的相違) 児童文学は、大人が子供のために創って与えるものである。児童の次元に立脚し、児童の特性を踏まえ、児童の言葉で想像されなければならない文学形式および内容上の制約があり、作家は、児童特有の感覚、理論的思考、心理反応、価値観といった児童性を意識して書くことと、教育性の問題を含んであることを忘れてはならない。
形式的相違) ここでは主として構成上の形式が問題となる。素材については、年少児童になるほど、即物的・親近的であることが肝心であり、児童の価値観に基づいたものでなければならない。テ...