「乳幼児における認知機能の発達について述べよ」
乳幼児における認知機能の発達について述べよ
乳幼児期は、心身機能に著しい発達が見られる。スキャモン(Scammon,R.E.,1930)の『身体発達の構造図』を見ると、乳幼児期はリンパ型の発達に次いで神経型にも大きな発達が見られ、発達曲線は8歳までにほぼ90%を示している。このような神経型の発達に伴い、乳幼児期はその認知機能にも著しい発達が見られる。本論ではその課程について考察する。
誕生後間もない新生時期には、唇の周囲に触れると吸いつこうとする仕草や、手のひらに指を触れるとそれを握ろうとするといった特徴的な行動が見られる。これは原始的反射と言われ、この時期特有のものである。また、不快の感情を泣くことで周囲に伝達する。ピアジェ(Piaget,J.,1960)はこの時期を「生理的反射の段階」としている。
その後生後4ヶ月までの間に、自己の身体に興味を持ち始め、身体を用いた反応が見られるようになる。具体的な行動としては自分の指をしゃぶることなどで、これらの行動は繰り返し行われ、その繰り返しが自己の身体の認知へと繋がる。またこの段階を過ぎ生後8ヶ月頃までに、ガラガラを手に持って振るなど...