「子どもの心を知ることについて」
子どもを理解する視点として、保育実践においても、保育実践においても、両者が人と人との「関わり」を重視した営みであるからではないと考える。その関わりにおいて、両者とも相手(子ども)の心をどう捉えるということが、相手(子ども)を理解しどのように対応するかということを考えるうえで欠かすことのできないものである。
では、臨床心理学的な視点とは、一体どのようなものであろうか。非常に大まかに捉えて言うとすれば、臨床心理学的視点とは、子どもの心を理解して、それに寄り添いながら、その子どもが自分で歩んでいくのを手助けするという見方のことをさす。保育活動のなかでは子どもの現状の理解と把握は欠かせない。そして、保育活動のなかで子どもに働きかけるやり方として、子どもを理解したうえで、とくに発達や教育の分野で業績のあるヴィゴツキーという心理学者のいう発達の最近接領域に働きかけ、発達を促すという視点で働きかけるやり方(発達心理学的視点)がある。つまり、もうすぐ子どもが自力でできることを手助けするやり方である。また一方で臨床心理学的視点では、どうしても必要な場合以外は...