図書館員の専門性として、日本図書館協会は1974年、「利用者を知ること」「資料を知ること」「利用者と資料を結びつけること」とまとめた。そしてこの3要件を果たす上で、図書館員が留意すべき事項は1980年に全国図書大会で採択された「図書館員の倫理網領」で述べられている。要約すると、①社会の期待と利用者の要求によって職務を遂行すべきである②利用者を差別せず、利用者の秘密を守ること③図書館の自由を守り資料の収集・保存・提供し、検閲や圧力に屈しないこと④資料についての研鑽を怠らず、利用者の期待を満たすこと⑤研修の必要性を述べ常に知識・技術を身に付ける努力をすること⑥運営方針や奉仕計画の策定に参加し、相互の協力の下に図書館員集団の専門的能力の向上に努めること⑦文化環境の醸成に努めること⑧出版文化の発展に寄付することとある。
しかし、館種別の図書館員の専門性には触れられていない、司書職制度には触れても司書養成制度には触れていない、司書を対象とした項目とその他の職員を対象とした項目が一緒に入っている、公共図書館に司書の職種が法的に制度化されているが、大学図書館、学校図書館では法的に司書職制度がない...