08838社会学Ⅰ第2分冊社会化

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    「社会化」とは,人が自分の所属する社会や集団,またはこれから所属しようとしている社会や集団に共有されているルールを学び,自分のものにしてゆく過程のことである。学ぶ対象は,社会規範をはじめ,価値観,ものの考え方や感じ方,行動パターンなど,多方面に及ぶ。
    まず,人は生まれて成長する過程で,社会規範,生活習慣,言語など,その社会全体に共通な,最も基本的な事柄を学習する。例えば,その社会で男性・女性にふさわしいとされている行動パターン(ジェンダー)がそうである。「社会化」の主体は子どもであり,「社会化」の担い手は,まずは家族,近隣社会,保育園や幼稚園,学校と,しだいに広がっていく。この「社会化」を通じて,一個の動物として生まれたヒトは社会性を持った「人間」になり,男性や女性になる。
    次に,ある「集団」に固有であり,その集団に共通な規範や価値観や行動パターンを学習する。貴族社会,会社,暴力団,宗教集団,政党,軍隊,どこでもそれぞれに固有のルール,作法や気風がある。新参者はそうしたルール,作法や気風をしっかり身に付けることではじめて,一人前のメンバーとして認められる。
    このほか,実際に今そこに所属...

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