中等社会科教育の課題とマルチメディアの活用
「公民的資質」とは,平和で民主的な国家・社会の形成者としての自覚をもち,自他の人格を互いに尊重しあうこと,社会的義務や責任を果たそうとすること,社会生活の様々な場面で多面的に考えたり,公正に判断したりすることなどの能力や態度である。
社会科教育・生活指導の共通目標として育てられるべきものは,「国際社会に生きる日本人としての生き方・あり方を身につける」こと以上に,「地球市民として自立し,共存し,連帯して地域に生きる力を育てる」ことであるといえる。これこそがまさに現代の地域に,そして地球社会に生きる人間の「公民的資質」である。
児童一人一人に「公民的資質」の基礎を養うためには,社会科の学習指導において,地域社会や我が国の国土,産業,歴史などに対する理解と愛情を育て,社会的な見方や考え方を養うとともに,問題解決的な学習を一層重視させ,よりよい社会の形成に参画する資質や能力の基礎を養うことを一層重視することが大切である。
つまり,自己判断の元になる歴史・地理・「公民」に関する科学的な知識・認識の形成と,それらに基づくさまざまな「個人的知識」の...