先のレポート、「情報化社会と生涯学習時代における公共図書館の役割と意義について」でも述べたように、現代の情報化社会、生涯学習時代において、「情報格差の改善」や「情報リテラシーの育成」などの課題を現代の公共図書館は積極的に取り組んでいる。また、このような背景を踏まえて、図書館の果すべき役割について考えていきたい。
利用者の求めに応じて、適切な資料や情報を提供するには、図書館の基礎的な構成要素である、資料、施設、職員の3つが挙げられる。その中で、図書館の理念、目的を具現化する担い手として、図書館職員の持つ比重は大きい。図書館員とは、本来は図書館に勤務する専門的職員を意味するが、図書館に働くすべての職員を指して用いられることもある。(注1)図書館サービスは、職員の手によってなされるべきである。できるだけ「専門職の職員」によってサービスがなされるべきである。(注2)という考え方から、専門職員つまり図書館司書、司書補に大きな期待がかかる。図書館司書は、情報、資料を収集し整理、保存して、利用者と結びつける仕事を主に行っている。1974年に日本図書館協会(日図協)の図書館員の問題調査研究委員会によ...