近代民主主義において、市民一人一人が知る権利があるが、パソコン、携帯電話などの普及により、膨大な情報の中から必要、かつ適切な情報を選択して行動するのは簡単なことではない。現代の「情報化社会」(高度情報通信社会)のなか、私たちは情報の洪水にどっぷりつかっている。そこで問題になるのは、私たちに提供される情報量と個人の情報量のアンバランスである。情報は本来的には人間を適正な意思決定を行わせ、その行動はよりよい方向に導くのだが、処理能力がない場合、かえって情報が混乱のもとになる。よって、情報化社会の中で住んでいる人間は、人間が取り巻く環境の中から、自分たちにとって必要かつ適切な情報を選択して行動するという「情報リテラシー」(情報活用能力)を身につけ、それを高め、いかに養うかが大変重要な意味を有する。情報リテラシーの問題を学校だけでなく、生涯学習の世界で受け止め、教育の課題としていくことが重要である。それは単に機械や技術に強くなるというだけでなく、情報に対する主体性の確立、情報を選択的に使いこなせる人間の形成という視点に立つものでなければならない。
現代は技術、知識が非常な勢いで進化しており、ま...