資料:2件
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薬物療法及び現代精神医学における診断基準について
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現代精神医学において、世界的に有名な精神疾患の診断基準は、世界的に有名な精神疾患の診断基準は、WHOによるICD−10(国際疾病分類改定第10版)とアメリカ精神医学会のDSM−?があり、最も使用されている。
ICD−10は、あらゆる疾患を分類したもので、そのうちの5章が「精神および行動の障害」の分類になっている。WHO が作成した診断のためのガイドライン(操作的診断基準、すなわち必須の症状は何で、いくつの基準がそろえば診断できるというスタイルではない)を明文化し、「気質性」や「神経症性」という従来の診断概念を残している。ICD−10は、従来診断とDSM診断の中間に位置づけられる。我が国では、ICD−10に準拠した「疾病、傷害および死因分類」を作成し、統計調査に使われるほか、医学的分類として医療機関で診療録の管理等に活用されている。
DSM−?は、明確な操作的診断基準を示したことで、臨床試験や地域の差、時代の違いによる診断の違いが生じにくくなり、疫学研究・臨床統計、生物学研究に必須の基準となった。また、疾病分類のほか、人格や知能、身体疾患と身体状態、心理社会的ストレスの強さ、社会適応レベルも評価する多元的診断法を採用していることが大きな特徴である。今まで意志の主観に頼りがちだった精神病の判断に対して、論理的推察と統計的要素を取り入れ客観的判断を下せるようにした一方、患者が手引きを片手に素人判断することも可能なため、自分で誤診する危険性も含む。先に示したICD−10との違いは、精神疾患のみの分類であり、「気質性」や「神経症性」の用語を用いていないことである。
このような診断基準の分類があるが、精神疾患は研究の未発達な部分が大きく、分類や診断基準が国や医師によってばらつきがある。そのため、同様の疾患と考えられても異なった病名をつけられるという問題がある。
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