精神保健福祉士レポート。成人病→生活習慣病の経緯と、原因等について。
生活習慣病は40歳以降の発症率が高い脳卒中、ガン、心臓病、糖尿病などを指すもので、1950年代後半から約40年間、「成人病」と呼ばれていた。戦後、人々の暮らしが豊かになり、食事の西洋化や運動量の減少に伴ってこれらの疾患が増加した。また、これらは初期にはほとんど自覚症状がないまま進行し、気がついた時には取り返しがつかないほど悪化していることが珍しくない。こうしたことが大きな問題となり、国が「成人病」として取り上げるようになったのである。したがって「成人病」は医学用語ではなく、旧厚生省が用いていた行政用語である。
成人病は、英国ではかねてからlife-style related disease」と呼ばれていた。これは生活スタイルと関連した疾患という意味である。日本の「成人病」では加齢によって自然発生的に起こるというイメージがあることから、生活スタイルの改善による予防が大切であることを強調するため、1996年の公衆衛生審議会で「生活習慣病」と名称変更された。従来の対策は早期発見・早期治療にとらわれていたが、これを契機に健康増進・発病予防を中心に推進されるようになったのである。
また、成人...