問題1
社会福祉基礎構造改革
2000年の「社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律」によって施行された改革。「個人の尊厳」「自立(支援)」「参加」「利用者の意向の尊重」「利用者の立場」をキーワードに、画一的で非民主的な社会福祉構造を福祉サービス利用者に主体化を持たせたものへと転換させた。
利用者と提供者との契約制度、日常生活自立支援事業、福祉サービスの運営委員会の設置や、多様な事業主体の参入促進、地域福祉の推進、サービスの質の向上などの仕組みが導入された。
福祉レジーム
福祉が生産され、それが国家・市場・家族の間にはいぶんされる総合的なあり方を指す。
自由主義レジーム、保守主義レジーム、社会民主主義レジームの3つに分類される。
市場の自由な経済活動を重視する自由主義レジームは、市場と家族の役割を重視し、それが機能できない例外な場合に政府による社会サービスが一時的に機能するとしている。
伝統的な家族や地位の格差の保持を重視する保守主義レジームは、労働市場における地位や功績に社会サービスが連動するものとしている。
すべての住民を対象とする普遍的な社会サービスを重視する社会民主主義レジームは、市場とかかわりなく、社会的ニーズに基づいて社会サービスが給付されるものとしている。
措置制度
措置制度は、社会福祉の責任主体である国・地方公共団体が、福祉サービスを受ける要件を満たしているかを判断し、また、そのサービスの開始・廃止を法令に基づいた行政権限としての措置により提供する制度。
措置制度の下では利用者側の意向が尊重されにくいという構造が指摘され、福祉サービスの普遍化・一般化の必要から措置という行政処分への反省、サービス提供者と利用者の対等性の確保、利用者の選択性の確保などの観点から、社会福祉基礎構造改革以降、全体としては措置制度から利用者が福祉サービスの提供者(事業者)との契約に基づいてサービスを利用する、契約制度への移行が加速している。
ローカル・ガバナンス論
福祉問題に対して、国家がサービスを提供するだけでなく、当事者やマイノリティが政府を媒介として自らの福祉問題を解決している場合など、公共的諸問題の解決に対して、政府だけが対応するのではなく、民間セクターや市民セクターがかかわる場合に、政府や市場と並ぶ社会的諸関係を媒介し調整するメカニズムがより良くあるべきだという考え方。
そのために従来の行政運営方式の官僚的性格をあらためて、より敏感に民意を反映することで、市民・住民への負担を軽減しながら、急速に変動する現代社会に対応して、ほかのセクターと連携しながら現存する社会的ニーズを着実に充足し、新しい公共の価値を創造していくことが期待される。
脱家族化
エスピン・アンデルセンによって示された概念。
政府や市場の働きを通じて、育児や介護などの家庭の責任や負担をどの程度まで緩和できるかという考え方。ホームヘルプサービスや保育所の利用率などが実際の指標に用いられている。
2000年の住宅介護サービスの利用率をみると、スウェーデンを始めとしたEU諸国の数値に対し、アメリカの利用率は極めて低くなっている。これはアメリカでは家族介護者の負担が大きいことを示している。
問題2
日本型福祉社会
第二次臨時行政調査会
1.57
今後の社会福祉のあり方について
自由主義
社会民主主義
法律による社会福祉
非審判的態度
脱商品化
脱家族化
問題3
社会福祉の福祉的機能とは利用者に直接的な効用をもたらす機能である。生活支援機能・社会統合促進機能・社会資源開発機能に分類される。
社会福祉の生活支援機能は、さらに最低生活保障機能・自立生活支持機能・自立生活力育成機能・自立生活援護機能の4通りに類型化することができる。
最低生活保障機能は貧困者に対して最低限度の生活を保障する機能、自立生活支持機能は福祉ニーズをもつ人々の自立生活を支持するための支援活動、自立生活力育成機能は自立生活の基盤となる身体的・精神的・社会的・経済的な能力を獲得・回復・開発の援助を行う機能、自立生活援護機能は生活型施設によって自立生活を全面的に支援する機能を指す。
社会福祉の社会統合促進機能は、利用者の社会に対する参加と統合、社会による包摂を支援し、そのための環境整備に努める働きを指す。
社会福祉の社会資源開発機能は、社会福祉的援助のために動員される機関・施設・設備、資金・物資・情報、親族・友人・知人、地域住民、集団・組織の持つ知識や技能などの社会福祉資源のほか、医療・保険・教育・住宅政策・更生保護などの一般サービスや地域の商店や企業、宗教団体などがもつ資源などに対し、その利用だけでなく、常に新しい社会資源を開発し、利用の可能性を広げていく機能を指す。
東海医療福祉専門学校 厚生労働省指定通信教育
学科 社会福祉学科 学年 1 学籍番号 氏名 科目 現代社会と福祉 課題 レポート課題②