ヨーロッパ統合は歴史的にどんな経緯を持っているか。
まず、忘れてはならないのがヨーロッパは分裂と統合を繰り返し、今日のEUに至っているということである。それは、ヨーロッパと外部からヨーロッパを抑えつけようとする勢力との紛争だけでなく、ヨーロッパ内部での統合・一元化へ向かわせようとする傾向と、分裂・多様化を目指す傾向でもある。
ヨーロッパの歴史は、5世紀の民族大移動から始まっている。そして、ローマ帝国の廃墟のうえに様々な異民族の王国が形成され、新旧の民族が混在し、またそれらの諸王国が分裂と結合を繰り返して、次第にヨーロッパが形成されていく。 歴史学者ボミアンによると、ヨーロッパの歴史には2つの結合の時期が存在した。第1の結合は、12世紀以降である。教皇と神聖ローマ帝国、神聖ローマ帝国とフランス、百年戦争などがあり、政治的な対立と戦争の続く分裂の時代であった。だが、他方では文化的な統一が完成をみた時代でもある。第2の統合は、17,8世紀のフランスを中心とした文芸共和国と宮廷文化である。文芸共和国とは、フィロゾーフと啓蒙主義によって知られる知的伝統の共和国であり、共通語としてフランス語が話...
参考にしてみて下さい。