請負契約における瑕疵担保責任の特徴を、売買契約における瑕疵担保責任と比較しながら論じよ。
請負は当事者の請負人がある仕事を完成することを約し、注文者がその仕事の結果に対して報酬を与えることを約する契約である(632条)。労務供給契約の一種であり、仕事の完成した結果を目的とする点に特色がある。請負の性質は、諾成・有償・双務契約であり、かつ不要式の契約である。請負契約とは「請負者が約束したものを完成させ、完成したものが約束したものであれば、注文者はその代金を支払い引き渡しを受ける」というもの。売買契約とは、「完成しているものを引き渡す代わりに代金を支払う」というもので、取引の対象が完成したものか、または未完成のものかどうかの点で大きな違いがある。
請負契約における効力は、請負人は完成した特定物を注文者に引き渡すべき義務を負う。完成した特定物の所有物が請負人に帰属するときは、引渡によって所有権が注文者に移転する。請負人は有償契約であるから、本来は売主の担保責任に関する規定が準用されるはずであるが(559条)、民法はこの原則を排除し、請負人の担保責任に関し詳細な規定を設けた(634条以下...