認知症は「脳の後天的な障害により一旦獲得された知能が持続的かつ比較的短時間のうちに低下し、日常生活に支障をきたすようになること。」と定義され、記憶の要素である記銘 保持 想起のいずれかあるいはすべてが障害されているため、新しい体験を貯蔵できなくなってしまう。老年期の認知症として代表的なものとしては、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症である。
脳血管性認知症とは、脳出血や脳梗塞の伴う神経細胞や組織の障害が原因で、小さな脳出血または梗塞が再発するたびに階段的に症状が進行する認知症である。脳の障害を受けた場所により症状が異なるため、「できること」と「できないこと」が入り乱れる「まだら」な症状とな...