地域福祉という言葉は戦後日本において社会福祉の民主化・近代化への流れと共に地域社会の福祉増進という概念をしめす用語として使い始められた。
戦後の地域福祉は1951年に設立された社会福祉協議会と共に再スタートした。戦前にも方面委員活動や民間福祉施設はあったが戦後のものとは相違が有るといえる。1970年代の半ば以降地域福祉は政府自治体での政策を含むようになり1973年のオイルショックを契機に生まれた福祉見直し論の論理を含んだ政策の側面を含むものであった。住民の主体的活動を行政が育成しようとしたものでボランティア育成などがそれにあたる。80年代になって在宅福祉サービスを中心に本格的な展開を始めた。90年の福祉関係8法の改正により在宅福祉関係の委託増進に繋がった。2000年の介護保険制度のスタートにより地域福祉の有り方が大きく変化したと言える。
現在の社会福祉の方向性は施設中心の福祉から地域を基盤としての自立した生活を送ることを目指すことに重点が置かれている。福祉サービスを必要とする人も地域の一員であるというソーシャルインクルージョンの考え方が含まれる。社会福祉法では地域住民、社会福祉を...