介護保険制度の普及や活用が進む中、高齢者に対する虐待が家庭や介護施設などで表面化し社会的な問題となってきていることから、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律が、平成18年4月1日から施行された。
高齢者虐待法による高齢者とは65歳以上のものと定義されている。また虐待の主体としては①養護者による高齢者虐待②要介護施設従事者等による高齢者虐待に分けられている。虐待の分類としては①身体的虐待②介護、世話の放棄、放任③心理的虐待④性的虐待⑤経済的虐待に分けられる。
厚生労働省の21年度の調査によると、相談、通報者は介護支援専門員が最も多く次いで家族、親族、非虐待高齢者本人となっている。虐待の種類は、身体的虐待が最も多く、次いで心理的虐待、経済的虐待、介護等放棄が続いている。非虐待高齢者は女性77%、80歳以上42%、介護認定者68%、認知症重度者45%となっている。虐待者との同居者が86%、未婚の子と同居が37%、既婚の子と同居と合わせると64%、となる。続柄は息子が41%、夫17%、娘15%、である。
理由としては、介護疲れやストレス、人間関係の歪みなどが挙...