記憶の基本的な働きは大きく分けて3つに分けて捉える事が出来る。まず、覚えるという「記銘(符号化)」である。覚えたら、覚えたものを「保持(貯蔵)」しておかなければならない。そして覚えたものを思い出す「想起(検索)」がある。
心理学では記憶についていくつかの側面に分けて研究が行われてきている。なぜなら側面ごとで記憶の仕組みや働きが違うからである。
まず記憶の保持時間の長さが数秒以内に消えてしまう感覚記憶、15~30秒以内が短期記憶、ほぼ消える事のない長期記憶に分けられる。
人間の感覚器官は、常に外部からの情報にさらされていて特に意識していなくても目は多くのものを捉え、耳は様々な音を聞き、皮膚も常に何らかの刺激を感じている。これらの情報は短時間だけ保存され、すぐに消えていき、こうした機能が働かないと例えば、目が捉えた映像は瞬間瞬間のコマぎれになってしまう。目に映った映像の中から、「この顔は○○さんだ」と記憶の中に有るパターンに結び付けて意味の有る情報を選び出し、そこで意味が有ると認識されると次の短期記憶の段階に送られる。
短期記憶は感覚記憶より確かな記憶だが量的にも時間的にも限界が...