英語学概説分冊1
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このレポートでは、発話行為とはどのような行為かについて、叙述文と遂行文、発語内行為、発語媒介行為、間接的発話行為などを含めて体系的に論じる。
「語用論の父」とされるオックスフォードの哲学者、John L. Austin(1911-60)は「言語は行為である」(安藤・澤田,2009,p.184)という新しい言語観を発見し、平叙文を二つに大別した。一つは叙述文で、もう一つは遂行文だ。叙述文とは、真偽を問うことができる文のことだ。例えば、a) It is snowy outside. この場合、「本当ですか?」と確認したり、「いいえ、降っていません。」と反論したりできる。つまり真偽を問うことが可能なのだ。一方、遂行文とは真偽を問うことは出来ず、文を発すること自体が行為を遂行するものだ。例えば、b)I promise you to take you out to dinner. C) I command you to do it. などがそうである。これらの文は、その文の真偽ではなく、発話する時に行う行為が無効か、不誠実になされたか、十分に...