練習によってどのように上達していくかを、「認知構造の再構造化」の過程という観点からまとめる。その際、スポーツ活動や楽器の演奏などの中で自分自身がこれまでに上達する経験をしたことのあるものを例に挙げ、認知構造の再構造化の過程に当てはめて説明する。
保険体育Ⅱ
スポーツなどの技能の習得には、「認知構造」と「認知構造の再構造化」が深く関わっている。このレポートでは、練習によってどのように上達していくかを「認知構造の再構造化」の過程という観点からまとめ、それをスポーツなどの自分自身の経験に当てはめて説明する。
まず、練習とは、「上達に関連した反復のことであり、その反復の中で、目的に応じた動作の変化が起こり、完成していく過程が練習の効果である」(吉本、2000)。練習上達には外部からの刺激受容から視覚・聴覚を通して知覚神経へと入り、そこから大脳へ情報が伝達され、その情報を過去に経験した情報と照合され、なされるべき反応を弁別するというシステムを何度も繰り返すこととなる。つまり、未経験の情報には適切に弁別出来ない為、適した反応が出来ないのであり、故に、多くの経験が必要となる。この過程を経て、情報が蓄積され、情報が系統化されることを「認知構造化」という。
つぎに、「認知構造」には三つのステージがある。一つ目は「未分化」、二つ目は「分化」、三つ目は「認知構造が出来上がっている状態」である。学生の頃に習った卓球を例にとって一つ一つを説明し...