子育ては父母、その他の保護者が第一義的責任を持つものである。また、子育ては次代の担い手を育成する営みであるという観点から、子育て家庭が安心と喜びをもって子育てにあたれるよう社会全体で支援することが求められている。今日、地域社会でも子どもの数が減少したり、高齢化が進んでいたりしていることなどから、地域社会が果たす機能や助け合いのネットワークが弱体化しているとの指摘がある。子育てをめぐる環境の大きな変化から、家庭のみでは子育てを負いきれなくなった現状を踏まえ、地域社会において「新たな支え合いと連帯による子育て支援」の体制の構築が求められている。
近年の地域子育て支援における期待は日々高まっている。そのため多くの保育所において、園庭開放や親子が参加できる子育てクラブなどが実施され始めていたり、他にも子育て講座や地域交流など多種多様な活動が展開されている。多くの保育所が地域に対する子育て支援への期待やニーズに応え活動しているのだ。
なかでも、私が印象に残った子育て支援活動がふたつある。まず、ひとつめは、主に保育園で行われている、障害児の母親に対する支援だ。障害児を持つ母親の多くが、すぐに...