社会保障の制度は多様であるが、エスピン・アンデルセンは政治システム・文化・歴史などの分析とともに脱商品化という指標を用いて、福祉国家レジームの3類型を示した。
アメリカを代表とする自由主義レジームの国々では、個人主義の理念のもと、介護や医療は私的に購入することとされ、市場原理で供給されている。そして、福祉給付は、資産調査に基づき、経済的な生活困窮者に限定されている。このモデルの対極に位置するものがスウェーデンなどの北欧諸国を代表とする社会民主主義レジームの国々である。これらの国々では、包括的な社会権が保障され、福祉サービスの利用は資産調査を必要としない。そこでは、必要な人に対して必要なサービスを公的に保障する普遍型福祉を特徴とする。以上の二つのモデルの国々が公費を主たる財源とした福祉を展開しているのに対して、ドイツを代表例とする保守主義レジームの国々では、社会保険制度が社会保障の中核である。福祉供給は家族や地域コミュニティによるものが理想とされ、ヨーロッパ大陸の国々がこのグループとされる。
具体的には、アメリカの在宅サービスは、原則、公的な保障がない。公的な在宅サービスは、いわゆる生活...