生命倫理
第3課題 第2設題
不治の病と言われた時の患者・家族のそれぞれの「悲嘆 のプロセス」を述べなさい。
不治の病を宣告された時、患者は一般に、否認、怒り、取引、抑うつ、受容という5つのプロセスを辿る。一方、不治の病を宣告された患者の家族も、患者同様のいくつかのプロセスを経験する。
人間は本来、自分に限って死ぬことは絶対にあり得ないという基本認識を持つ。この基本認識は、年齢の若い人や身体的な不安を抱いたことのない人ほど強く持つ。このような基本認識を持つ人間が、不治の病を宣告されて、まず表出する感情は「否認」である。例えば「これは私のことではない」とか「そんなことあるはずがない」と事実を否認する。この否認の表出は、患者をよく知らない人が宣告する場合や患者が事実を受け入れる準備ができているかを考えずに告知する場合などに顕著に表れる。また、不治の病を宣告された患者の家族も、多くの人が最初は患者が末期疾患だと信じることができない。しかし、患者も家族もそれぞれ結局は、現実を徐々に直視するようになる。
否認を維持できなくなった患者は「どうして私なのか」という疑問を持ち、患者の感情は「...