中国は56の民族からなる統一的な多民族国家である。漢民族の人口が多い(全国総人口の91.6%を占める)ため、習慣として他の55の民族は少数民族と呼ばれている。2000年の第五回国勢調査のデータによると、中央政府に認められた55の少数民族の人口が1億に近づいた。各民族の平等、団結、助け合い、共同繁栄の実現は、中国政府が民族間の関係を処理するにあたっての基本原則である。しかし、民族をめぐる問題が世界の各域で頻発している。21世紀には、近代世界における国民国家が再検討を迫られているかのようである。このような巨大な人口を有する中国も例外ではない。ここ数年を振り返っただけでも、いろいろな材料を指摘することができる。
1995年12月、内蒙古自治区のフフホトでモンゴル族によるでもが発生した。揚げられた主張は明確にされていないが、「形骸化した民族自治」に対する異議申し立てであったとも伝えられる。このデモと前後して、数百人のモンゴル族で構成される。「南蒙古民主連盟」の主席ら数人が、政府転覆罪、国家分裂罪、反革命集団組織扇動罪などの罪状で公安局に逮捕された。また、新疆ウイグル自治区では、1996年4月...