ライフサイクルの変化と高齢者福祉について
大正時代移行、第二次世界大戦終わり頃までわが国では、「人生50年」と言われてきた。しかし、その後の急速な経済成長とともに長寿社会への歩みを速め、厚生労働省の「2002年簡易生命表」によると、2002年に平均寿命は、男性78.32歳、女性85.23歳に達し男女ともに世界最高となった。また、高齢化率も増え、現在わが国は人口の21%以上が高齢者である「超高齢社会」となっている。
この急激な寿命の伸びは、人間の一生のライフスタイルに大きな変化を与えただけでなく、出産の減少や家族関係の変化など長寿社会を取り巻く周囲分野にもさまざまな影響をもたらしてきた。
ライフスタイルの変化について、幾つかの特徴を挙げる。
①晩婚化が進んでいること。
初婚年齢が、男性は25歳から28.8歳、女性は21歳から27歳へと変化し、特に女性の晩婚化の傾向に拍車がかかっている。
さらに最近は結婚しない女性が増える傾向にある。
②少子化の傾向が進行している。
合計特殊出生率(ひとりの女性が生涯に産む子どもの数の平均)は大正期では5人だったが、2002年では1.32人...