アメリカにおける医療制度とわが国の医療制度改革について
1、医療保険制度の概要について
医療保険とは、医療機関の受診により発生した医療費について、その一部又は全部を保険者が給付する仕組みの保険である。医療保険は、長期の入院や先端技術による治療などに伴う巨額の医療費を被保険者に直接負わせないことを目的としている。又、医療保険には公的医療保険と民間医療保険の2つにより構成されている。
①公的医療保険
公的医療保険は、予め被保険者の範囲が行政によって定められている医療保障制度である。日本の公的医療保険の種類には、国民健康保険、健康保険、共済組合、船員保険などがある。
医療保険制度は国により異なるものである。例えばアメリカにおいては、高齢者を対象としたメディケアや低所得者を主に対象としたメディケイドなどの公的医療保険制度がある。
②民間医療保険
民間医療保険は、一般に任意加入であり、契約者の財産や所得に応じて、複数の保険会社が用意するメニューからプランを選ぶことができる。民間医療保険の仕組みや医療保障制度における役割は、国ごとに大きく異なる。日本では公的保障の補助的役割を果た...