中世西洋史について、
Ⅰ 知る、拓く、生きる
Ⅱ 着る、食べる、住む
にわけてまとめ、感想をそえたものである。
Ⅰ 知る、拓く、生きる
「新しい文化史」とは何か
文化史は宗教や習俗の違いによる対立が深刻になったことと関係しており、こうした現実を反映し、政治や社会の変動などを人々の習慣や価値意識の変容から説明するという歴史研究が新しく進んでいる。また、服装や食事、家族構成と年齢・性差、音楽などに視点をあて、そこから中世の人々の生活世界、ライフサイクル、世界観を研究するという新しい文化史の分析手法がみてとれるようになった。
文化はその国の独特の思想、習慣、社会の根底にあるものであり、文化を理解するということはその国の人々を理解することにつながる。文化を理解し合うことでお互いを理解し、違う宗教や習慣の違いによる対立をなくすことができるのではないかと私は考える。
「森林―アルビオンの森林史話」
中世ヨーロッパの人々にとっての森は、悪霊の住む異界として恐れられていたり、養豚や養蜂に必要不可欠な恵みの森として位置していたり、国王直轄の森を御料林区域としてそこに一般法とは異なる御料林法を制定し役職を設けるなど、制度としての森として機能するなど、様々な意味を持つものであった。また、森には逃亡者が逃げ込んだ...