硬化の大きさの判断について、次のような実験が知られている。最初の研究はBruner&Goodman(1947)が行った。彼らは1セント、5セント、10セント、25セント、50セントの五種類からなる硬貨と硬貨大の丸い灰色のボール紙を知覚対象とした。被験者は富裕群(ボストン地区の進学校の生徒)と貧困層(ボストンのスラム街の子供)で、年齢は10歳であった。その結果、価値の強さが知覚過程に影響を持つとの実験結果が出た。すなわち、硬貨は大きさにおいて灰色の円盤よりも大きく判断されること、硬貨の価値が高くなればなるほど、過大視が大きくなることがみられ、さらにこの硬貨の価値の増大は富裕群より貧困群で著しくなった。
っという先行研究を証明するため、以下のような手続きで実験を行った。
被験者は、一円玉、五円玉、百円玉をそれぞれイメージして、実際には見ないで手元の紙に描く。できるだけ丸くするように注意する(円の直径を一定にするため)。一度書いた円がイメージと違った場合、書き直してよい。
円が描き終わったら、その円の直径を測り、ミリ単位で記録し、結果として集計する。
硬化の大きさとイメージ
1. 問題
硬化の大きさの判断について、次のような実験が知られている。最初の研究は Bruner
&Goodman(1947) が行った。彼らは 1 セント、5 セント、10 セント、25 セント、50
セントの五種類からなる硬貨と硬貨大の丸い灰色のボール紙を知覚対象とした。被験者
は富裕群(ボストン地区の進学校の生徒)と貧困層(ボストンのスラム街の子供)で、年齢
は 10 歳であった。その結果、価値の強さが知覚過程に影響を持つとの実験結果が出た。
すなわち、硬貨は大きさにおいて灰色の円盤よりも大きく判断されること、硬貨の価値
が高くなればなるほど、過大視が大きくなることがみられ、さらにこの硬貨の価値の増
大は富裕群より貧困群で著しくなった。
その後、Carter&Schooler(1949) は Bruner たちとほぼ同じ実験条件で価値の強さ
が大きさの知覚に影響を及ぼすか否かに関する追試を行った。知覚対象は5枚の硬貨と
36 枚のアルミの円盤が加えられた。対象
を実際に目の前において大きさの知覚判断をする場合には、硬貨の価値にともなう過大
視...