人間関係学
社会的比較について
概要
Festinger (1954)は、能力に関する評価的な情報を得るように人間が動機づけられているが、客観的基準がない状態では、相対的な評価を求める、という前提に基づいた「社会的比較」に関する理論を開発した。さらに、情報利得を最大限にするために、比較は似たような能力の他者との間で行われる、と主張された。
自己評価と他者との関係
社会的比較過程理論は、9つの仮説および系とそれらから導き出される派生命題(derivation)からなる大きな理論である。
「自己評価」の動因(仮説1) 人には自分の意見や能力を評価しようとする動因が存在する(仮説1)
自分の意見や能力について不正確な評価を行なうことが多くの状況で、まずい結果になったり場合によっては致命的なことになったりするから。
⇒正確な自己像を得ることに重点がおかれることが予想される。したがって、自己の意見や能力はできるだけ正確に評価されることになる (TROPE, 1979)。
社会的手段による自己評価(仮説2)
自己評価のための客観的、非社会的な手段が得られないほど、他者の意見や能力と自分のそれを比較...