広告予算の立案に関する問題点(困難性)とその克服策をブランドないし製品の3分割との関連について述べる。
広告論 分冊1 広告予算の立案に関する問題点と克服策
本レポートでは、広告予算の立案に関する問題点(困難性)とその克服策をブランドないし製品の3分割との関連について述べる。
広告費は多ければ多い程売上高が増加するわけではなく、ある一定の限度を超えると収穫逓減の法則が作用し、その効果が次第に減少するし、過少であってもまた効果がない。広告予算の設定はこの広告費支出を適正な水準に維持し、有効に支出されるように統制することを目的として行なわれる。
広告費の割り当て方策立案に当たっては、種々の設定基準がFrey、Heckert等の先覚者によって紹介されているが、これらは観点を異にするとはいえ、一応方策立案の基本的基準を呈示している。しかし、これらに共通して言えることは、広告支出額が生み出す販売効果の正確なる把握の困難性を乗り越えることができず、したがって自らその限界を持っていることである。売り上げ結果と一定の企業によって広告に費やされる貨幣額、すなわち広告割り当て額との関係を測定することは任意的で困難であると言える。更に、広告におかれるウェイトと広告の反復がもたらす販売効果の困難や、対競争者...