本レポートでは、広告の表現戦略と表現戦術の違いと関連について述べる。
広告論 分冊2 表現戦略と表現戦術の違いと関連
本レポートでは、広告の表現戦略と表現戦術の違いと関連について述べる。
広告を策定するまでの過程を広告の実施計画と言い、その計画の流れは状況分析・広告目的の明確化・広告対象の決定・訴求点の決定・広告費の決定・広告媒体の決定といった流れとなる。広告計画の立案に際し、広告媒体と共に重要な柱となるものが広告表現である。広告表現とは、広告目標を達成するために、広告主の伝えたいポイントを、想定したターゲットが理解しやすいように伝える広告物を企画・制作することである。しかし、広告主の伝えたいことと受け手が知りたいことは必ずしも同じではなく、論理だけで広告物を作っても受け入れてもらえないことが多い。広告表現は、論理を受け手の感性に訴えるかたちに翻訳し直したものと考えることができる。制作に際しては、広告目標を念頭におく必要があるが、受け手の考え方を忘れてはならない。
表現方法は利用する広告媒体によっても異なるが、「言葉」、「絵」、「音」といった3つの素材の組み合わせから行われる。①新聞広告の文章やテレビCMの中でタレントがしゃべる台詞のように、広告表現の中...