商品の概念について述べる。
商品学 分冊1 商品の概念について
商品の概念について述べる。 商品は、それを扱う人々の立場によって様々な捉え方(認識)がされている。この中で、本質的な部分を挙げると、商品とは「市場における交換対象(売買の対象、金銭との交換対象)」であり、「生産・販売する者には収益(利益)をもたらし、購入・使用する者には便益(有用性)や効用(満足)をもたらすもの」といえる。商品は、色・柄、デザイン、包装・パッケージ、価格、商標(ブランド)、サービスといった様々な属性の複合体として存在している。これらの諸属性は、商品の形状や肌触りといった「触知可能性(有形性)」の高いものから、ブランドやサービスといった「触知不可能性(無形性)」と高いものまである。
商品は、触知可能性と不可能性のウェイトの違いによって、一般的に「商品(モノ)」と「サービス」に区別されている。ここでいうサービスとは、「取引対象となっている企業の行為」をいう。商品とは店頭で目にするモノだけではなく、「モノ(物)とサービス(行為)の複合体」なのである。しかし、その複合体を構成する様々な要素は、どれもが均等な役割を果たしているわけではない。...