中大通教合格レポート(A評価)
2018年度 外国法概論1 第1課題
外国法概論1 第1課題 2018年度
”判例法主義と先例拘束性の原理との関係”
1 判例法主義とは何か
判例法主義とは、「具体的事件における裁判所の判決に法的拘束力を認め、それを第一
次的な法源とする法体制」(新井、123頁)のことである。判例とは一般的に裁判例を指
すが、判決の先例という意味もあり、特に英米法では、判例の法源性が積極的に認めてら
れてきた。判例法主義に対する概念として大陸法が採る制定法主義がある。判例法主義で
は、法の大部分が制定法ではなく判例法によって規律され、新たな法律問題が発生した際、
判例に立論の基礎を求めて解決を図るという方法が採られる(田中、15頁)。
この判例法主義が成立するためには3つの要件が必要であるとされている。第一は、裁
判所制度により裁判所の階層秩序が確立されていることであり、第二は、法曹養成機関が
存在し、貴族院の司法制度を法律家が司っていることであり、第三は、定期的に権威ある
内容をもった判例集が刊行されていることである(新井、186頁)。
2 先例拘束性の原理とは何か。
先例拘...