大乗仏教の思想的な特徴について、「菩薩」「六波羅蜜」「空」「利他行」といった用語を用いて説明しなさい。
設 題2
大乗仏教の思想的な特徴について、「菩薩」「六波羅蜜」「空」「利他行」といった用語を用いて説明しなさい。
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釈尊が教えを説いてから400~500年後、新たな仏教運動が興起しそれによって生まれた仏教を大乗仏教という。大乗とは、「大いなる乗り物」を意味する。大乗仏教を担った人々によって既成の仏教を「劣った乗り物」意味する「小乗」という語を侮辱的に用いていた。大乗仏教が律蔵に縛られた伝統教団仏教のアンティテーゼとして、在家仏教の要素を持ちつつ興起したのである。
時代がたてば経つほどかえって釈尊への帰依と信仰は激しくなり、釈尊を讃える様々な仏伝文学が生み出されていった。ジャータカなどの仏伝文学は、釈尊が過去世で全行を積んだ話(全547話)が詳細に伝えられ、時代の経過と共に教祖釈尊を神格化する道を巡ることになる。また、ブッタの遺骨は分割され、中インドに8基の仏塔が建てられた。釈尊の遺骨(舎利)とそれを納めた仏塔への信仰である。仏塔は本質的に在家信者中心の仏教である。
最初期の仏教において、仏陀とは釈尊一人を指していた。しかしやがては大乗経典に先立つ教団文献にも、釈尊を含めて過去に七人...