日大通信教育学部の刑事訴訟法の課題について、ポイントにそって整理して説明する合格リポート
1 自 白 に 対 す る 法 的 規 制
広義の自白法則には、狭義の自白法則(自
白の証拠能力を否定する法則)と補強法則(被
告人について、有罪を認定するために必要と
される自白以外の証拠を補強証拠といい、有
罪を認定するために補強証拠を必要とする証
拠 法 則 ) が あ る 。
2 自 白 法 則 の 学 説 の 対 立
自白法則の根拠について様々な学説の対立
がある。三つの学説を紹介する。虚偽排除説
は、不任意な自白は、その内容が虚偽の恐れ
があるので排除させるとし、自白の証拠能力
を自白の任意性ととらえ自白の任意性の判断
は、自白が「虚偽の自白を誘発する恐れのあ
るような状況下でなされたかどうか」が基準
に な る と し て い る 。
人権擁護説は、憲法38条2項を主として
同条1項の担保規定と解し、黙秘権を中心と
する被告人の人権保障のため、強制自白など
が排除されるとし、自白の証拠能力を自白の
任意性と考えるが、虚偽排除説と異なり自白
の証拠能力を自白に信用性から切り離して捉
える。自白の任意性の判断は、「供述に自由を
侵...