本レポートは、八洲学園大学図書館司書課程(図書館サービス論)にて、A評価を得たものです。内容としては、今後公共図書館が情報機関としての役割を担う上で不可欠な「レファレンスサービス」について考察し、また、その問題点ならびに課題を論じています。特に、現状の問題と課題を明確にするため、レファレンスサービスにおける実態調査報告書など、数値的な考察も実施しています。参考文献は、文献12冊とWEB資料1つを利用しました。
はじめに
『中小都市における公共図書館の運営(中小レポート)』(1963)ならびに『市民の図書館』(1970)刊行以降、公共図書館は「貸出」を中心とする図書館サービスを実践し、その本質的機能である「資料の利用・提供」を地域に根付かせ、市民の学習権や知る権利を保証してきた。現代において我々市民が図書館を快適に利用できるのも、貸出や閲覧を土台とする図書館関係者の絶え間ない努力(サービス)の結果である。
しかしながら今日の公共図書館は、「無料貸本屋論」や「公共図書館委託問題」など様々な問題を抱えている。さらには、図書館員(司書)の存在意義そのものを問う声も出始めている。『中小レポート』刊行からおよそ50年、公共図書館を取り巻く環境は激変し、それに伴う21世紀型の新しい図書館像の構築が今まさに社会から求められているのである。
そこで本論では、今後公共図書館が情報機関としての役割を担う上で不可欠な「レファレンスサービス」について考察し、また、その問題点ならびに課題を明確にする。
1、レファレンスサービスの意義と内容(特徴)
レファレンスサービスは次のように定義される。「何らかの情報あるいは資...