聖徳大学 「歴史学入門」第一課題第四設題(A評価)

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    資料紹介

    第一課題第四設題:評価A
    「満州国」の実態は日本の傀儡国家であったが、その傀儡性はどのような点に求めることができるか。「独立」に至る経緯を概説し、傀儡性について具体的に論述しなさい。

    <参考文献>
    十五年戦争小史 新版  江口圭一  青木書店 2002年3月
    HP:http://www.geocities.jp/nakanolib/joyaku/js07-9.htm
    ・日満議定書
    ・大同元年三月十日満洲国執政ヨリ本庄関東軍司令官宛書翰及昭和七年五月十二日同司令官ヨリ執政宛回答文

    <コメント>
    近現代は元々詳しくないので、文献を読んだり調べたりするのは大変でした。元々の知識不足によることも大きいですが、分量的にも相当時間がかかったレポート。しかし色々と発見があって勉強になった課題でした。満州についてはかなり詳しく調べ、記述したつもりです。
    講評は「課題を踏まえ的確かつ要領よく纏まっており、引用も適確」と戴きました。また、傀儡性の示し方は高く評価されたようで、本文に二重丸が書かれていました。ただ、その「引用の出典を参考文献に示し忘れているのが惜しい」と指摘されたので、ここでは修正してあげておきます。

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    第一課題第四設題
    満州国独立に至る経緯の理解にあたっては、まず満州という地が当時の日本にとっていかなる意味をもつ地であったかの理解が必要である。満州は本書「十五年戦争小史」にも「帝国にとってのその意味と比重はきわめて切実」とあるように、当時の日本にとって極めて重大な、特別な地であった。ここでいう満州の特別性・重要性とは、日露戦争後の1906年に設立された南満州鉄道株式会社の存在によってもたらされる、数々の権益である。この南満州鉄道株式会社は、単なる鉄道会社としての一企業ではなかった。当時、食料・肥料としての世界商品であった満州の特産品大豆の独占的輸送を中軸として、港湾(大連)、鉱業(撫順・煙台)、製鉄(鞍山)などを経営する一大コンツェルンであった。また、私企業ではなく資本金もその半額を政府が出資し、総裁・副総裁も政府により任命された半官半民の会社である。鉄道付属地の行政権も付与され、「満州における国家政策の代行機関」という機能を有する特殊会社であった。満州という地が、当時の日本にとって非常に大きな意味を持つ、極めて重要な地であったことを、まず前提として理解しておく必要がある。
    そして、...

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