第二課題:A評価
英国留学中の漱石の苦悩と、それに対する努力についてまとめてみよう。
<参考文献>
漱石とその時代 第一部 江藤淳 新潮社 2008年6月
漱石とその時代 第二部 江藤淳 新潮社 2006年5月
近代西欧化の社会Ⅰ 聖徳大学通信教育部(著・出版とも) 2009年1月
<コメント>
テキストから適宜引用しつつ、漱石が自らを「無用の人」と思うに至るまでの過程を明確にしながら、まとめていったというレポートです。
第二課題第一設題
夏目金之助は「必無用の人となることなかれ」という思想の下、幼き頃から努力を続けてきた人物である。その結果現東京大学である帝国大学に入り、特待生すらもとっている。まさに当時のエリート中のエリートといえるだろう。このイギリス留学もそんな金之助であるからこそ命じられたものである。現在多くの人が為している「自分のための」留学とは違い、「国のための」留学であることは、まず金之助が抱えることになる苦悩の背景として強調しておかねばならぬ明治という時代の持つ特有の事情である。
そして金之助がロンドンへ留学して一年後、文部省からの「学術研究の旅行報告」の要請を受け取る。しかしこの時金之助は報告...