0736日本経済論<分冊1>日本大学通信教育部

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    資料紹介

    【課題】
    日本の製造企業の海外進出と国内生産拠点への影響について論じなさい。

    【参考文献】
    日本経済論『国際競争力という幻想』/松原隆一郎

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    1980年代から日本の製造企業は海外進出・海外生産を本格化させてきた。こうしたグローバル化の進展が労働需要に与える影響も大きい。国際競争が激化するなかで、企業は資本や労働の最適な組み合わせを世界的な視野から選択する行動を強める。日本国内の賃金コスト水準はアジア諸国に比べると、相対的に高いため、労働集約的な製品や生産工程を海外に移転する形の国際分業が進んでいる。その結果、そのような生産の海外移転や輸入増加によって、国内の競合する産業分野は衰退し、それに代わる新たな就業機会が創出されないと、失業の問題が深刻することにつながる。

    そもそも、わが国の製造業のグローバル化は、貿易摩擦および円高の進行への対応策として始まった。1970・80年代には鉄鋼、カラーテレビ、自動車、半導体をめぐって欧米先進国との間で貿易摩擦が発生した。これは石油危機を契機に世界トップクラスの省エネルギー化を達成し、最新のエレクトロニクス技術を装備した日本製品の圧倒的な競争力がもたらした輸出の急増によるものであった。一方、1971年の変動相場制移行以降、大幅な円高に対して、日本の製造業は国内の製造コスト削減で対応してきた...

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