社会保険と社会扶助の違いについてまとめなさい。
社会保障の仕組みは,社会保険と社会扶助と2つの方式に大別できる。社会保険とは,保険の技術を用いて、保険料を財源として給付を行う仕組みである。医療保険制度や年金保険制度が典型的な例である。
社会保険とは、保険制度の基礎となる「保険の技術」とは、ある共通の危険にさらされている多数の者が一つの集団を構成し、各自が被保険者としてあらかじめ保険料を拠出しておいて、保険事故が起きたときにはその保険料の集積から保険金給付を行い、損害を補填することである。社会保険の保険者は、国や地方自治体あるいは公的な団体が保険者となっており、被保険者は法律にもとづく強制加入である。
一方,社会扶助とは,租税を財源にして保険の技術を用いずに給付を行う仕組みである。国や地方公共団体の施策として、国民や住民に対して現金またはサービスの提供が行われる仕組みである。その代表的な制度は、貧困を救済する公的扶助制度である生活保護制度である。児童福祉、障害福祉、老人福祉といった社会福祉制度や、児童手当や福祉年金も社会扶助に含まれる。歴史的には、イギリスの救貧法に基づく救貧制度が公的扶...