『適応・不適応の心理的規制、またそれらからひき起こされる特徴的行動について説明せよ。』
人はめまぐるしく変化する社会、さまざまな環境に反応して多様な生活を営んでいる。変化に富んだ環境に反応しなければ人は生きていけないのである。個人と環境との相互作用において、両者の間に何らかの一致ないしは調和する状態になるためにとる行動や態度の調整を「適応」という。「適応」の様態に関しては、その人からなぜその行動が引き起こされたのかという「動機づけ」と欲求の種類、その対立に起因する「葛藤」や阻害されて生じる「欲求不満(フラストレーション)」、そして、それらへの対処法としての「適応機制」と「防衛機制」がある。
「適応機制」あるいは「防衛機制」
上記のような心的機能の規制あるいは努力を「適応機制」という。人が不安状態に陥るには、その自我構造は崩壊の危機さらされることから「適応機制」自我崩壊(破局や危機)を防ぐという意味で「防衛機制」とも呼ばれる。主な「防衛機制」を挙げてみよう。
1、抑圧・・・「抑圧」は「防衛機制」の中でも最も基本的なもので、心的エネルギーをそのまま発散させると、不安や破局を起こす恐れが...