「子育てに求められる支援とその背景について述べよ。」
以前まで、一般家庭による育児は、公的な社会支援を受ける対象ではなかった。しかし合計特殊出生率が1.57をきった平成2年頃から、子育てに対する社会的な支援が始まっている。少子化による家庭人員の小規模化・核家族化など、家族機能の変化が顕著になるにつれて、従来では家庭内で解決するべきであると考えられてきた子育ての問題が社会問題化してきたのだ。このように、「子育て支援」が必要とされるようになった具体的な背景について、社会的側面、親の視点、子どもの視点、親子両方の視点から述べる。
まず、第一に社会的側面から見た子育て支援の背景について述べていく。一つめは、住環境の変化がもたらした影響である。マイホーム主義が浸透し、家族が一つの居住スペースを得られる事が一般的になった。それにより、両親と離れて夫婦とその子どもの一世帯で生活する核家族が増加した。その結果、両親や親類縁者といった育児の先輩から、育児知識を伝授される事が少なくなり、また見知った人がいないという環境のため、子育ての不安などを近隣に相談する事ができなくなった。二つめは、遊び場が消失し...