「保育所における乳児保育の課題について述べよ。」
現代の社会における、人々の日常生活上での環境は大きく変化している。過度な都市部への人口集中による、住宅の高層・狭小化を始め、都心の職場と郊外の住居の遠隔化、これに伴う通勤時間の延長、子どもの遊び場や地域社会のコミュニティの消失・人間関係の希薄化等の他、女性による様々な労働形態での社会進出といった変化が挙げられる。この様な、劇的とも言って良いだろう生活の変化を受けて、家庭の育児機能の低下が問題となっており、乳幼児を抱えている家庭から保育に対する様々なニーズが出てきている。
共働き家庭からは、産休明けからの乳児保育や、時間延長保育、夜間保育等の要望が多い。また、片方の親がパート労働をしている場合、専業で育児・家事をしている場合でも、一時保育を要望している。また、障がい児や外国籍の子ども等対象児の拡大という様に、乳児保育のニーズは多様化してきているのである。この様な現代社会における子育て事情の中で、保育所は、家庭養育を補完する機能を持っている、児童福祉法によって位置付けられた児童福祉施設として、今後、多様化したニーズに応えた乳児保育を充実...