連関資料 :: 乳幼児における認知機能の発達について述べよ。

資料:6件

  • 乳幼児における認知機能発達について述べよ。
  • 従来、乳児は「無力で、受け身的で、大人に依存している存在」として見られていた。しかし、ここ20年のあいだに、その認識は「自分の周りの物や人と積極的に関わっていこうとする有能な存在」へと変わってきた。乳児に対する認識の移り変わりを、認知機能の発達に関する研究に取り組み、現在にまで大きな影響を及ぼしているスイスの発達心理学者ジャン・ピアジェの理論をもとに以下に述べる。  まず「発達」とは人間の身体的・心理的な構造や機能における量的・質的変化のことである。乳幼児における発達は、主に「成熟」と「学習」というふたつの基本的過程によってすすめられる。「成熟」とは先天的要因によって、自発的に個々の形質や機能がつくりだされていく過程をいい、 「学習」とは生まれてからの後天的な経験や練習を通して新たに能力を獲得していく過程をいう。発達は、これら成熟と学習の過程が相乗的に作用しあい、人間をかたちづくっていくものなのである。  「認知」とは人間が外界の対象について、それが何であるか判断・解釈する過程のことである。この認知の過程には、人間の知覚・記憶・推理・判断・意志決定などが関わっている。ゆえに認知とは外界からの情報のうち必要なものを取捨選択し、自らの行動へと反映する人間の情報処理機能であるともいえる。ピアジェはこの認知機能の発達に関する研究を通した理論体系を「思考発達段階説」として構成し、この理論体系は認知発達を考える上での重要なよりどころの一つとなっている。
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