テキストをもとに、設題の要点をまとめています。
第一設題 「学校カウンセリングの意義、方法および今後の課題について述べなさい」
今、日本の学校において、「不登校」や「いじめ」の問題が多発し、「心の教育」の必要性が叫ばれている。これには多くの要因が絡み合っているが、その背景には画一的な教育観によって、「個人」の尊重がなおざりにしてきたことがある。この改革の一つとして学校カウンセリングが導入されている。その意義や方法、そしてどうあるべきかについて述べていきたい。
学校カウンセリングは、成人対象の一般カウンセリングと大きく違っている。一般カウンセリングは治療的カウンセリングとも言われ、症状や病気そのものを治すことである。カウンセリングを必要とする悩みはさまざまあるが、たとえば神経症(ノイローゼ)による場合、本人が自分の症状に対して強い悩みを持つことが特徴である。その原因は自分自身にあると思うのだが、何が原因かはわからないし、どうにかしたくてもどうすればいいか自分では分からない状態になり、さらに悩みが深くなり神経症に陥ってしまう。はっきりした原因が分からないのは原因が無意識の中にあるからだ。この無意識を意識化することでそれを明らかにし、神経...