「子どもの社会力」とは
私は、このレポートを書くにあたって門脇厚司が署した『子どもの社会力』をもとに子ども自身が持つ社会力について考え、私自身の成長の過程や、姉として弟と接する中での経験、自分の数ヶ月の子育ての中での経験、また、教職を志すものとしての考えをふまえて、周囲の大人は子どもに対してどのようにしてその社会力を伸ばしていけば良いのかを考えてみたいと思う。
まず、この門脇厚司が署した『子どもの社会力』では、子どもは出生した時から他者と相互行為を行う能力を持っており、「人間の社会力は他者との相互行為によって培われるものであり、逆に、社会力の形成が他者との相互行為を円滑にしている」(P93)と考えられており、現在では、核家族化が進み、地域での交流が激減しているため、「地域という子どもの全生活空間から、大人と子どもが相互行為する場と機会を奪っていった」(P134)と述べている。そして、子どもの社会力を形成するうえで欠かすことが出来ない存在である「大人が社会に根をおろしておらず・・・社会とのかかわりを避けているようなところで、子どもの社会力が育つはずがない」(P149)と述べており、子...