近大姫路大学通信教育学部の科目試験答案例です。
社会科指導法
1、日本の社会科の学習原理が問題解決学習から系統学習へと移行した理由を説明しなさ
い。
① 問題解決学習から系統学習へと移行した背景
日本の社会科は、第二次世界大戦戦後、1947年(昭和22年)のGHQによる教育改革の中で、CIEの改革案「ヴァージニア・プラン」を基にしたものが始まりであった。
それは、子どもが、実生活で直面する具体的な問題を解決する過程として組織された、問題解決学習を原理とするものであった。
問題解決学習は、教育における経験の役割を重視する、デューイの経験主義の考え方に基づくものである。
問題解決学習では、子どもが生活上の問題を解決するという経験を積み重ねる中で、知識をより確実で体系的なものとすることができ、さらに人格的にも成長すると考えられていた。
しかし、1950年代にはGHQによる占領体制が解かれていくにつれて、このような問題解決学習は知識の客観性や科学の系統性を軽視しているとして批判されるようになる。
そして、「問題解決学習では基礎学力が低下する」、「体系的な社会科学認識を形成する必要があるのではないか」といった声を反...